問いの共有

会社の理念をMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)で表す。

会社の目的(社会的役割)とは?

会社の目指す姿とは?

会社の価値観とは?

この問いに答え続けることで根っこが固まる。根っこがしっかりしているほど太く長い幹と大きく広がる枝や葉っぱが生えてくるという。

 普段我々は、どこに枝を張るか?いかに葉を茂らせるか?あるいは花を咲かせたり、実をつけるか?にばかりを考えている。「今年はここに枝を張ろう!」とか「今年はこれだけ花を咲かせて実をつけよう!」とかを会社の上位から現場へ指示が飛ぶ。現場では、「こんどはこの企画でいこう!」や「これを販売しよう!」と答えから走ることになる。どうしても現場ではwhatやhowが中心となってwhyが交わされることは少ない。Whatについてもwhat to doであってwhat is it?の問いかけは少ないようだ。

 知識や経験、スキルの共有や情報の共有は組織運営では欠かせないものだが、それは主にwhat to doやhow to doに関するもの。前回「やるべきこととやってはいけないこと」でも気が付いたことだが、組織において「やるべきこと(答え)」を共有することは実行性において効率的であるが、思考や選択の幅が限られる。

 「この企画は本当に我々のやりたいことだろうか?」「なぜ我々がこれを販売するのか?」

リーダーの「問い」を共有することで、メンバーの思考を刺激し、価値観の棚卸によって新たな発想や状況にあった行動を促す。メンバーの創造性や可能性をひらくような問いの共有を促進すると個々のメンバーのみならずチームの成長やリソースの蓄積を促すことができる。つまり、全体の効率性をあげると同時に生産性も得られることになるだろう。

 会社の社員それぞれが「問い」を共有すると最後には会社の理念に行き着く。それでようやく根っこからの栄養と水分(リソース)を吸収し、今年の花や実だけでなく枝や幹も太く大きく成長するのではないだろうか。

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