差別化というとビジネスではよく話に出ることだが、一般的には「個性」とか「アイデンティティ(存在意義)」と言い換えることができるかもしれない。
外見や性格、好き嫌いなどの嗜好上の意識や思考から他者との違いを認識できるものを「自分らしさ(個性)」として是非はともあれ受け止める。また、「自分は何の為に生まれ生きているのか?」という人間の本源的問いかけ(テーマ)に対して思考の中だけでは答えが見つからないために歴史や今の時代の他者との違いから見えてくるその「自分らしさ(アイデンティティ)」を手掛かりにするようだ。
ところで「なんか好き」と「なんか得意」というものがある。
理由はわからないが好きとか楽しいといった感覚。「好き」という感覚には他者は関与しない。ただ、好きなだけだ。
一方で、好き嫌いにかかわらず「これは得意だ」というものが在ったりする。好きでもないのに続けてきたからどうも他者より上手くやれるみたいだという意識。ところが目の前にもっと上手くやれる人が現れると「そうでもないか」と撤回し、続けていくモチベーションが下がる。
「なんか好き」から始めてずっと続けていくといつの間にか他者と比較すると上手くなっている場合もある。そして「好き」というその感覚が「得意」らしいという意識に影響して益々「好き」になっていく感覚。感覚と意識が相互に働き合っているようで、継続性の中でいつの間にか「自分はこれが得意だ」という自信が生まれ、また「どうも本当に好きなんだな・・」と感想を漏らす。
「個性」や「アイデンティティ(存在意義)」はそんなところから現れるのではないだろうか?
さて、「なぜあなたから買うのか?(相対的価値)」これが差別化の原点である。ほかの人ではだめなのか?ほかのモノではだめなのか?あるいは他では手に入らないものか?その問いに明確かつ具体的に答えること(答えられること)である。
ただ、その前に「なぜ買うのか?(絶対的価値)」という動機付けとなる価値観を掴まなければならない。そして売る側もその価値観を共有できることが根本として必要なのだろう。