「やるべきこと」より「やってはいけないこと」

何か目的や課題に対して「やるべきこと」を決めるには?

MECE(抜け漏れダブり)を確かめながらアイデアを絞り出し、なぜそれをする必要があるか?それができるとどんな効果があるか?を明確にしてリストアップすればよい。

そして実行に移る前に優先順位をつける。重要性×緊急性という軸で4象限に分けるもよい。

私の場合はよく期待効果×実行難易度で分類していた。その場合、効果高&簡易なものを一番にして、次に効果低&簡易、効果高&難しいもの、という順位をつける。効果低&難しいものは捨てることにしていた。最後に各項目の相関性からグループ分けして時間軸を引けば立派な行動計画が出来上がる。あとは「やるべきこと」をやるだけだ。

時間や労力、リソースを集中して「やるべきこと」に取り組めば、あれはどうなるか、ほかにやることはないか・・・など悩まないで済む分効率的である。しかし、物事に集中するとストレスがかかり、周りが見えなくなったり、新しい発想や広い視点で取り組むことは難しくなる。

一方、「やってはいけないこと」を決めて、それ以外は何をやってもいいとなるとどうなるか?「やるべきこと」を決めるのもルール作りだが、「やってはいけないこと」を決めるのもやはりルール作りだ。

何をやっても自由だとなると戸惑う。何を始めるか?手がかりがない。「これだけはだめだよ」と言えば思考が動き出す。人は何か制約があったほうが自由に解放されるようだ。それが、「これしかだめだよ」となると再び思考は膠着する。オールフリーでもオンリーワンでも自由になれないとは・・・

社会や組織で活動するとオールフリーであることはまずない。価値観や利害が違う者同士が集まって一緒に活動する以上制約がかかる。そのとき、いきなり「やるべきこと」を決めるより、「やってはいけないこと」を先に決めて思考を解放すると様々な発想やアイデアが生まれてくる。集団の場合、個々の発想が飛び交い活性化するようだ。

思考と行動、頭と体。体を動かすとき思考が働くと動きがぎこちなくなったり鈍くなる。余計なことは考えず感覚を研ぎ澄まして集中すると結果は良くなる。反対に、体の感覚を忘れてリラックスしていると思考はよく働く。

思考と行動をバランスよく使い分けると同じように「やるべきこと」と「やってはいけないこと」をうまく使い分けたいものだ。

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