「・・・しかない」と「・・・まだこんなにある」

「間に合わない・・・」「時間がない・・・」と追われる。
ほとんどの人は毎日時間を意識することが多いのでは?

時間は大切な資源。しかも誰もが平等に得られる資源。ただ水や空気と違って目には見えない。
財産や何か成果を実現するための資源とは他に何があるか?
お金、モノ(道具)といった形のあるものもあるが、地縁血縁、知識や経験、スキル、人脈や信用、名声など目に見えないものもある。
ただ、それらはすべて平等に得られるものではない。
また、時間は大切な価値基準。何か成果を考える時、その大きさが同じでもそのために使った資源によって価値が変わる。
できるだけ少ない資源で大きな成果を得ることが価値(付加価値)と評価するため、誰にも平等でかつすべての資源に影響する時間を単位とすることが多い。成果の量よりも質を価値と考える点から時間は質を決める基準とでもいえるのか。

ところで、一定の刻みで進む時間のはずなのにすごく長く感じる時と短く感じる時がある。
夢中で何かに取り組んでいた時、時間が短く感じる。
一方、嫌々でやらされ仕事をしているときはものすごく長く感じる。
同じ時間であってもどうしてだろう?
おそらく本人の生産性への意識なのかもしれない。
夢中な時や好きなことをしているとき人は生産性が高いらしい。一方嫌々やることは生産性が低いといわれる。
同じ期待する成果に対する生産性の違いで時間の意識が変わるのかもしれない。
(期待する成果)/(生産性の意識)↑=(感じる時間)↓に対し(期待する成果)/(生産性の意識)↓=(感じる時間)↑
そして期待する成果を高くすると生産性が低い場合時間が足らなくなる。「間に合わない・・・」「時間がない・・・・」「忙しい・・・」と。

企業活動には利益に直結する活動を付加価値活動といいそうでない活動を非付加価値活動という。
また、その活動にはルーティンワークとアドホック(スポット)ワークに分けられる。
すると
非付加価値活動でルーティンワーク→システム化(IT化)
非付加価値活動でアドホックワーク→アウトソーシング
付加価値活動でルーティンワーク→パッケージ化
付加価値活動でアドホックワーク→専門人材の投入
というのが生産性を上げる理論上での話。
しかし実際には人によって夢中になる仕事と嫌々仕事がありこれに当てはめるとなるとなかなか厄介だ。
夢中になる仕事に人を振り分けると非付加価値活動に多くいて付加価値活動に不足がでたらどうするか?

時間もそうだが人についても同じ。「人が足らない、人材が不足している・・・・」と現場からクレームが来る。
でも投入した人材がその仕事を嫌々やってたら「やっぱり足らない、間に合わない・・・」となる。
嫌々を夢中にするにはどうすればいいのだろうか?
まずは、「・・・しかない」を「・・・・・まだこんなにある」と考えることから始めるべきか。

ちなみに忙しくしている経営者がいる。分刻みで予定が入っている。
「忙しい・・・時間がない・・・・」とつぶやく。それを自慢するように・・・・
果たして生産性が高い仕事なのだろうか?
それを部下はどう見るのだろうか?

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